献血のメリット・デメリットとは?

献血のメリット・デメリット 献血は手軽にできる社会貢献です
この記事のまとめ
  • 献血で心身ともに健康を手に入れよう
  • 献血は気軽にできる社会貢献活動
  • 時間や手間などがかかるデメリットも
  • 献血できない人もいるので注意

先日駅を歩いていると、「献血にご協力下さい」と呼びかけている赤十字の方々がおられました。

呼びかけをしていた人が着ていたベストには、「O型が不足しています」と書かれていましたが、コロナ禍もあって献血してくれる人の数が減り、全血液型で不足が生じているそうです。

私は常々献血をしたいと思っているのですが、ある薬を飲んでいるので献血ができず、残念な気持ちがあります。

この記事では、「献血をしてみたいけど不安」「献血についてのメリットやデメリットが知りたい」「献血ができる人、できない人がいるって本当?」といった悩みや疑問を解決します。

目次

献血のメリット

ここでは、献血のメリットについて6つお伝えします。

①血液検査が無料で受けられる

1つ目のメリットは、「血液検査が無料で受けられること」です。

血液センターでは、献血にご協力いただいた方々への感謝の気持ちとして、7項目の生化学検査成績と8項目の血球計数検査成績についてお知らせしています。

引用:検査サービス

引用では東京都赤十字血液センターの記述を載せましたが、他のセンターでも同様の記載があります。

  • 全国のセンターで無料の血液検査を受けることができる
  • 概ね1週間以内には検査結果が送られてくる
  • 定期的に献血を行うことで、無料で血液検査を受けることができる
  • 目に見えない病気の早期発見に大いに役立つ

やはり「血液検査が無料で受けられるというのは嬉しいポイントですね。

②血液中の異常値が把握できる

2つ目のメリットは「血液中の異常値が把握できる」ことです。

  • 一般的な健康診断でも検査する項目を無料で検査できる
  • もし異常値があればそすぐに病気への対応をすることができる

「血液中の異常値が把握できる」ということは、自身の健康を守ることにもつながります。

③精神的なメリットを感じられる

3つ目のメリットは「精神的なメリットを感じられる」ことです。

献血経験者の方は、こんな精神的メリットを挙げられています。

経験者にお話をきいてみると「血が綺麗になった感覚になる」「社会貢献ができたことに充実感を覚える」などの精神的なメリットを感じている人が多く、ストレス解消や休日のリフレッシュにぴったりなのだそう。

くつろぎながら社会貢献できる!献血のメリットとは
  • 献血をすることで新たな血液が作られ「血が綺麗になった」と感じられる
  • 自分の血液が誰かの病を助けることになることから「社会貢献ができたことに充実感」を得られる

これらのことから、献血によって精神的に穏やかになったり、自己有用感を感じられたりする「精神的なメリット」を感じることができます。

④いろいろな特典を受けられる

4つ目のメリットは、「いろいろな特典を受けられる」ということです。

献血ルームで献血をすると、ほとんどの献血ルームでは、お菓子やドリンクが無料でもらえます。

  • 空き時間を利用して献血し、無料のドリンクやお菓子でゆっくりくつろぐことができる
  • 一部の献血ルームでは特別な特典を受けることができます。

例)京都にある「献血ルーム四条」では、四柱推命占いが受けられるイベントが開催されています。

京都にある「献血ルーム四条」
引用:第4回目「四柱推命」イベント 12月も開催決定!!

例)東京のスカイツリー内の10階にある献血ルームは、白を基調としたオシャレな内装で、景色を楽しみながら健康ドリンク飲むこともできます。

東京のスカイツリー内の10階にある献血ルーム
引用:献血ルームfeel

例)東京の池袋駅東口にある「献血ルーム池袋い~すと」は、図書館のような落ち着いた内装で統一され、献血後の落ち着いた優雅な時間を演出してくれます。

献血ルーム池袋い~すと
引用:東京の献血ルームがおしゃれすぎる! カフェのような充実サービスも

それ以外にも、

  • コラボ景品がもらえる
  • 献血回数が10回、30回、50回ごとに日本赤十字社から表彰を受けられる

といった特典もあります。

キャンペーン
引用:東京都内 献血キャンペーン一覧【2022年12月16日更新】
選べる記念品
引用:献血功労の表彰について

献血という社会貢献活動をしながらお菓子やドリンクをもらえ、さらにコラボ景品や表彰まで受けられるなど、本当にたくさんの特典が受けられる献血は、メリットにあふれていると言えます。

⑤苦しむ患者さんの助けになれる

ここまでは「自分に対するメリット」を挙げてきましたが、5つ目のメリットは「苦しむ患者さんの助けになれる」ことです。

実際、献血をすることで一番「メリット」を受けられるのは病に苦しむ患者さんです。

日本赤十字社の茨城県赤十字血液センターHPには次のように書かれています。

  • 国内で輸血を必要とする人は年間約100万人いると言われている
  • 集められた血液の80%以上は、がんや白血病、再生不良性貧血などの病気と闘う人のために使われている

上記に挙がった病以外にも、手術の際の少量~多量の輸血に使われるなど、人々の病を治すためには常に血液が必要になります。

自分一人が行った献血量は少量かもしれない、たった1回かもしれない。

それでも、その少量の血液が、1回の血液が、誰かの病を治し、誰かの命を救っていることは確かです。

もっと言えば、例えば自分の家族が怪我や病で輸血が必要になったとき、見知らぬ誰かの血液が大切な人の命を救うことになります。

献血をする私たちの最大のメリットは、苦しむ患者さんの助けになれること…そして、回り回って自分の家族の命を救うこと、これが最も大きいかもしれません。

⑥ヒーロー気分にひたれる

6つ目のメリットは「ヒーロー気分にひたれる」ことです。

献血をしたことのある人ならご理解いただけると思うのですが、献血が終わり、献血ルームから出たときのなんとも言えない爽快感…!

  • 外の日差しが眩しく感じる
  • 空気が爽やかに感じる
  • 街の景色が色鮮やかに感じる
  • 何かを成し遂げた達成感で胸がいっぱいになる

メリット⑤でも挙げた通り、社会に貢献しているという満足感、そしてあたかも「自分は誰かの命を救ったのだ」という、ヒーローにも似た気分を味わえます。

これは献血をした人にしか味わえない、特別な感情です。

以上、献血をしたときに得られる6つのメリットをご紹介しました。

  •  血液検査が無料で受けられる
  •  血液中の異常値が把握できる
  •  精神的なメリットを感じられる
  •  いろいろな特典を受けられる
  •  苦しむ患者さんの助けになれる
  •  ヒーロー気分にひたれる

こんなにも多くのメリットを得られる献血は、本当に素晴らしい社会貢献活動だと思います。

どうせなら10回、30回、50回と献血を重ねて表彰を得ることを目標にするのも楽しいと思います。

50回もの献血をするにはかなりの期間が必要になりますから、ぜひ20代の若いうちから献血を始めてみてはいかがでしょうか。

献血のデメリット

次に、献血のデメリットについて5つお伝えします。

①痛い

デメリットの1つ目は「痛い」です。

  • 血を抜くためには腕に針を刺す
  • 献血が終わるまでの数十分間、ずっと針を刺している
  • 刺す人によっては痛みが強かったり、点滴後に内出血したりする

以上のことから、人によっては痛みを感じることがあります。

また、

利き手から血を抜いた場合、その日の生活が送りづらくなる可能性がある

というところもデメリットです。

血を抜くので、この「痛み」はある程度理解した上で献血をする必要があります。

②時間がかかる

デメリットの2つ目は「時間がかかる」ことです。

献血には、大きく2つの方法があります。

全献血

  • 抜かれた血をすべて献血として提供する
  • 献血量を200mlと400mlから選べる
  • 10~15分程度で完了する

全献血の場合は15分ほどで終わることがほとんどです

成分献血

  • 血液の中から特定の成分のみを提供する
  • それ以外の成分を体に戻す
  • 採血量に応じて40~90分程度で完了する

全献血に比べ、特定の成分のみを抽出して血液を体内に戻す必要があるので、数倍の時間がかかります。

献血全体の時間として必要な時間は以下のように言われています。

 ・受付に15分

 ・全献血で15分、成分献血で最大90分

 ・終了後10分以上の休息

これらの情報をまとめると、

  • 全献血は受付から1時間以内に外に出られる
  • 成分献血は受付から2時間以内に外に出られる

と考えられます。

1時間単位の時間を必要とするので、やはり「時間がかかる」というデメリットは、生活に少なくない影響があります。

③献血場所に赴く必要がある

3つ目のデメリットは、「献血場所に赴く必要がある」ことです。

献血ルームの数を調べると、人口の多い東京ですら「12」しか献血ルームがありません。

全国で見ても、16の県には献血ルームが1つしかなく、他の県も平均して2~3程度しか献血ルームがありません。

つまり、献血をするには

  • 限られた数しかない献血ルームに行かなければいけない(=移動時間や交通費がかかる)
  • 日本赤十字のHPを見て献血バスの運行スケジュールを調べ、そこに行かなければいけない(=移動時間や交通費がかかる、自分の都合で献血できない)

というデメリットがあります。

「献血場所に赴く必要がある」というのは、献血で何回も社会貢献をしたいと思っている人にはとてもデメリットが大きく、「気軽に」「フラっと」というわけにはいかない実情があります。

④気分が悪くなる可能性がある

献血は自身の血を抜くので、当然「気分が悪くなる可能性がある」というのもデメリットの1つです。

厚生労働省の資料では、以下のような体調不良が認められています。

  • 採血中や採血後に、気分不良、吐き気、めまい、失神などが約 0.9%(1/100 人)
  • 針を刺すことによる皮下出血が約 0.2%(1/500 人)
  • 神経損傷(脱力や痛み)が約 0.01%(1/10,000 人)
  • 失神に伴う転倒がまれに発生する

最も確率が高いと100人に1人が体調不良になるということで、献血後に予定を入れるのはできれば避けたほうがいいかもしれません。

⑤年齢・体重制限などがある

デメリットとは少し違うかもしれませんが、年齢や体重などにも制限があります。

いつまでも、誰でも献血できるわけではないので注意が必要です。

詳しくは記事の後半で説明をします。

献血を行う際のデメリットを5つご紹介しました。

  •  痛い
  •  時間がかかる
  •  献血場所に赴く必要がある
  •  気分が悪くなる可能性がある
  •  年齢・体重制限などがある

これらのデメリットを十分に理解した上で、献血に赴く必要があります。

献血の受付の際にも注意事項の確認があるので、そこで改めて確認をして下さい。

そもそも献血とは

献血とは

献血とは、日本赤十字社のHPによると、

献血とは、病気やけがで輸血を必要としている人のために、自発的に無償で血液を提供することです。

日本での献血の受け入れは、国(厚生労働省)から唯一、採血事業者として許可を受けている日本赤十字社が行っています。

引用:https://www.bs.jrc.or.jp/kk/hyogo/m0_03_01_faq.html

とされています。

  ・自発的に

  ・無償で

  ・血液を提供すること

が、献血です。

日本の献血の歴史は100年以上前まで遡ります。

輸血のはじまり

近代的な輸血法が日本に入ってきたのは、1919年のことでした。

1930年に当時の首相が銃で撃たれる事件が発生し、駅長室で輸血をすることで一命を取り留めました。

この出来事がきっかけで大きな関心を呼び、輸血が一般的に行われるようになりました。

当時の輸血は「まくらもと輸血」と呼ばれ、輸血する相手の横に献血者を寝かせ、献血者から注射器などで採取した血液をただちに輸血する方法を取っていました。

血液センターの創設

「まくらもと輸血」は安全な輸血方法ではなく、感染症を引き起こす事故が起きました。

このことがきっかけで各方面から代表者を集めて協議し、1952年に現在の赤十字血液センターができました。

売血の時代

当時は「売血」によってお金を稼ぐ人たちがいました。

月に何十回も売血をする人が現れるなどし、質の悪い血液が大量に出回るようになりました。

この血液は効果が少ないばかりか、副作用を起こすこともあり、大きな社会問題となりました。

また、「これは人身売買につながる」と運動が起きるなどしました。

その後、血液センターが各地に開設されるにつれ売血も徐々になくなり、1968年には民間企業による売買は影を潜めていきました。

現代へ

その後、安全な輸血方法や血液の管理方法が研究され、現代のような管理された献血や血液の検査、保管などがされるようになりました。

しかし、血液の量は慢性的な不足状態にあり、一部の血液は海外からの輸入に頼っている現状です。

日本は1975年にWHO(世界保健機関)から、「自国で必要とする血液は自国で確保すべし」との勧告を受けており、未だにその課題は解決できずにいます。

献血の必要性

献血の必要性について、厚生労働省の資料には、大きく分けて4つの理由がまとめられています。

1.人工的に作れない

医療技術が発達した現代においてなお、血液を人工的に作ることができません。

なので、献血で多くの人から集める必要があります。

2.長期保存ができない

血液は「生きた細胞の集まり」なので、長い間保存することができません。

なので、毎日新鮮な血液を集める必要があります。

3.1日に約3000人が血液を必要としている

日本で輸血を必要としている人数は、1日に3000人もいます。

つまり、毎日3000人以上の血液を集めないと、いつか輸血ができない人が出てきてしまいます。

4.「がん治療」が最多

多くはがん治療に充てられ、輸血量の40%ががん治療に使われています。

病気の治療に、血液は欠かせない大切なものです。

献血量の不足

コロナ禍で献血する人が不足し、日本赤十字もSOSを発信しています。

このままでは治療できずに、命に関わる状態に陥ってしまう人がたくさん出てきてしまいます。

ほんの少しでも血液が欲しい…現状はそういった危機的な状況です。

献血ができない方

献血にはいくつかの制限があり、献血できない方もいます。

献血ができない方
引用:献血方法別の献血基準

年齢制限

まず、年齢制限があります。

  ・全献血なら16歳から69歳まで

   ただし、400ml献血は男性は17歳から、女性は18歳から

  ・成分献血なら18歳から69歳まで

   ただし女性は血小板のみ54歳まで

何歳まででもできるわけではなく、また何歳からでもできるわけではありません。

体重

体重にも制限があります。

  ・男性45kg以上、女性40kg以上

   ただし、全献血の400mlのみ男女とも50kg以上

ある程度体重がないと献血後の生活にも影響がでるため、最低体重が設定されています。

血圧

  ・最高血圧 90mmHg以上180mmHg未満

  ・最低血圧 50mmHg以上110mmHg未満

体重には上限がありませんが、血圧には上限・下限があります。

脈拍

1分間に40回以上100回以下

体温

37.5℃未満

その他

その他、下記2つの項目について制限があります。

これは、きちんと効果のある血液を採取することを目的に設定されているもので、歴史的背景からも設定されている理由が分かります。

  ・血色素量

  ・血小板数

献血にも多くの制限があるので、誰しもが献血できるわけではありません。

まずは自身が健康体であることが前提です。

なぜならば、採血された血液は病に苦しむ人達の体の中に直接入っていくものなので、健康な血液を必要としているのは当然のことと思います。

献血ができる間隔

献血できる間隔や回数などについても制限があります。

間隔

間隔には「これ以上空けなければいけない」という決まりがあります。

きちんと間隔を空けなければ、血液が正常な状態に戻らないからです。

全献血の場合は、

  ・200mlなら、男女とも4週間後の同じ曜日から可能

  ・400mlなら、男性は12週間後、女性は16週間後の同じ曜日から可能

成分献血の場合は、

  ・男女とも8週間後の同じ曜日から可能

となっています。

血漿成分のみ、血小板成分のみといった成分献血をした場合には別に規定があるので、画像をご覧ください。

年間総採血量

年間に採血できる総量も決められています。

  ・男性 1200ml以内

  ・女性 800ml以内

男性であれば、200ml献血で6回以内、400ml献血で3回以内ということになります。

女性であれば、200ml献血で4回以内、400ml献血で2回以内ということになります。

成分献血に関しては、

  ・血小板献血1回を2回とカウントし、血小板献血と合わせて24回以内

と決められています。

どちらも、献血者の健康と、血液自体の質を保つための規定です。

献血できないその他の場合

献血できない場合には、上記のほかにもいくつかあります。

  ・妊娠している、もしくは過去6か月以内に妊娠していた場合

  ・採血により悪化する恐れのある循環器系疾患、血液疾患、その他の疾患にかかっている場合

  ・熱がある、またはその他の理由で体調不良である場合

  ・特定の薬を服薬している場合

    ※献血可能かどうかは、こちらのHPをご覧ください。

「できるだけ多く社会貢献をしたいと思っている」人や、「たくさん献血して表彰されたい」と思っている人は、まずは自分自身の健康に気をつけることが大切です。

また、間隔や総献血量、その他の理由で献血ができない場合もあります。

しっかりと調べた上で献血に向かい、分からないことがあれば日本赤十字社に問い合わせをしましょう。

まとめ

多くの人の命を救い、またはいつか自分や自分の大切な人を救うかもしれない「献血」。

献血は大きな意義のある社会貢献活動であり、多くの人の幸せを作ります。

献血ルームがお近くにないかもしれませんが、今日もどこかで献血バスがあなたの献血を待っています。

これを書いている私は、飲んでいる薬の影響で献血できません。

もしあなたが献血をできるのであれば、どうか私の分まで献血をし、誰かの命を救って下さい。

私の思いも、そこに乗せていただければ幸いです。

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他のメリット・デメリットも知りたい方は以下よりどうぞ。

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