世の中の価値観は、仕事が第一で、キャリアアップや賃金アップを目指す時代から、仕事は生活の一部であり、ワークライフバランスが重視される時代へと変化しています。そんな時代にマッチした働き方の一つとして、”フレックスタイム制 “が注目されています。ここでは、フレックスタイム制の概要からメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
フレックスタイム制度とは
フレックスタイム制度とは、社員が1日の労働時間や出社・退社時間を自由に設定できる制度です。フレックスタイム制には多くのメリットがある一方で、デメリットも考えられるため、導入の際にはその点を考慮する必要があります。
フレックスタイム制のデメリット
フレックスタイム制のデメリットについて解説します。
1.従業員の労務管理が難しくなる
フレックスタイム制では、各社員がどれだけ仕事をしたのか、仕事の進捗状況を把握することが困難です。各社員のスケジュールや出勤状況が異なるため、業務実績や工数の労務管理が難しくなる。
2.取引先や外部とのコミュニケーションが難しい
勤務時間にばらつきがあるため、取引先や外部とのコミュニケーションが滞ったり、不可能になったりするリスクがある。この対策として、相手の勤務時間や出勤時間が異なる場合でも、効率的にコミュニケーションが取れるような仕組みの導入が必要です。
3.従業員の自己管理能力に委ねられている
フレックスタイム制は個人の自律性を促す制度であるため、従業員が自分の時間や仕事を管理する自己管理能力を持つことが重要である。また、このセルフマネジメント能力を重視した社員教育・研修も必要です。
4.フレックスタイム制を全社員に導入することは難しい
フレックスタイム制を全社員に導入するのは難しいかもしれません。個人の裁量を重視する制度であるため、クリエイティブな部署に所属している社員や、仕事の裁量が大きい社員にのみ導入することが多いようです。特定の役割の人だけに導入すると、他の社員が特別扱いしていると考えるようになる可能性があります。
5.ルールを決めないと、トラブルが起きやすい
フレックスタイム制を導入する際には、制度の混乱や悪用を防ぐために、明確なルールやガイドラインを設定することが必要です。同時に、社員がサボることなく、責任をもって仕事に取り組めるような仕組みを整えることも重要です。
フレックスタイム制のメリット
フレックスタイム制は、社員と企業の双方にさまざまなメリットがあります。まず、従業員にとっては、ワークライフバランスの向上というメリットがあります。自分や家族の都合に合わせて勤務時間を調整することで、より自分のスケジュールをコントロールしながら働くことができるようになります。次に、フレックスタイム制を導入することで、残業の削減や休日出勤の抑制が可能になります。このように、時間配分を効率的に行うことができます。さらに、社員が感じる不要なストレスを軽減し、より生産的でリラックスした環境で働くことができます。企業にとっては、残業代が削減できるとともに、優秀な人材の確保が容易になります。
フレックスタイム制導入時の留意点
従業員と企業の双方にさまざまなメリットをもたらすフレックスタイム制ですが、導入にあたってはいくつかの注意点があります。まず、人事担当者は、フレックスタイムが差別や虐待に利用されないよう、適切なポリシーを制定することが必要です。また、労働時間を明確に定義し、他の従業員や事業部との軋轢が生じないような制度を作ることが重要です。さらに、従業員同士の協力やコミュニケーションを促進する制度も必要です。
まとめ
フレックスタイム制は、従業員にとってはストレスの軽減やワークライフバランスの向上、企業にとっては採用・定着率の向上など、多くのメリットがあります。しかし、生産性の低下、コミュニケーションやコラボレーションの難しさ、職場の対立、昇進の問題など、制度導入前に考慮すべきデメリットも存在します。これらの理由から、人事担当者はフレックスタイム制の潜在的な危険性を認識した上で導入することが重要です。
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