ジェネリック医薬品のデメリット

ジェネリック医薬品のデメリットやメリットを紹介します。

本記事の内容は以下の通りです。

  • ジェネリック医薬品のデメリット
  • ジェネリック医薬品のメリット
  • ジェネリック医薬品を処方してもらう方法

最近では、お薬を処方されるとき「ジェネリック医薬品も選べますがどうされますか?」と聞かれたり、実際に処方されたりすることが増えてきました。

「ジェネリック医薬品にすると、薬代が安くなる」ということは知っていても、ジェネリック医薬品にどういったデメリットやメリットがあるのか知っている人は少ないのではないでしょうか。

ジェネリック医薬品を処方してもらう方法も紹介していますので、ジェネリック医薬品の正しい知識を身につけて薬を賢く使い分けましょう。

他のメリット・デメリットも知りたい方は以下よりどうぞ。

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目次

ジェネリック医薬品のデメリット

ジェネリック医薬品のデメリットは以下の通り7つです。

  • 新薬とは添加物や製造過程が異なるため、効果の出方が違う場合がある
  • 新薬とは味や形状が違うことがある
  • 副作用に関するデータが少ない
  • 安全性の試験は義務化されていない
  • ジェネリック医薬品の供給が安定していない
  • ジェネリック医薬品が使えないこともある
  • 生産中止の可能性がある

それでは詳しく見ていきましょう。

デメリット①新薬とは添加物や製造過程が異なるため、効果の出方が違う場合がある

ジェネリック医薬品は、新薬と同じ有効成分を使用して作られていて、効果・効能は同じです。

しかし製造過程や添加物は同じではありません。

そのため、新薬を飲み続けていた人がジェネリック医薬品に変えると、効果が出にくい場合があります。

また、使用している添加物によっては、新薬の時にはなかったアレルギー症状や副作用が出たりする場合があります。

デメリット②新薬と味や形状が違うことがある

ジェネリック医薬品は、新薬の味や形、色などを変えることができます。

同じ新薬を長期間飲んでいた場合など、ジェネリック医薬品に変えると違和感を感じる人も少なくないようです。

内服薬以外にも、ジェネリック医薬品の外用薬では貼り心地や塗り心地が違う場合もあります。

デメリット③副作用に関するデータが少ない

ジェンリック医薬品は、新薬の後発として開発された医薬品です。

そのため、副作用に関するデータが新薬に比べると少ないのが現状です。

万が一副作用が起こっても、医薬品メーカーにデータがなく、きちんとした見解が得られない場合もあります。

ジェネリック医薬品も副作用の程度により、新薬同様「医薬品副作用被害救済制度」が適応されますので、副作用が現れたときは、かかりつけ医または薬剤師さんに相談しましょう。

(参照:日本ジェネリック株式会社|ジェネリック医薬品で副作用が発生した時の、救済制度は?)

デメリット④安全性の試験は義務化されていない

新薬の開発時にはたくさんの試験が義務化されていて、それらをクリアできたものが販売を許可されます。

一方ジェネリック医薬品は、安全性の試験は義務化されていません。

ジェネリック医薬品は新薬とおなじ有効成分を同じ量使用して作られていて、有効性試験などで問題がなければ、安全性の試験をする必要がないため義務化されていないのです。

つまり、新薬の販売が許可された時点で有効成分の安全性などは証明されているという判断です。

デメリット⑤ジェネリック医薬品の供給が安定していない

ジェネリック医薬品を製造している大手メーカーなどで供給停止や出荷調整を続けていることが大きな原因となって、全国的な供給不足に陥っています。

すでに欠品しているジェネリック医薬品もあり、せっかくジェネリック医薬品を希望していても、高い新薬を使わざるおえない状況に。

ジェネリック医薬品がいつ入荷するのかわからないため、長期的にお薬を飲まなければならない人には大きな負担となっています。

(参照:NHK首都圏ナビ|ジェネリック医薬品が相次ぐ欠品)

デメリット⑥ジェネリック医薬品が使えないこともある

全ての新薬にジェネリック医薬品が存在しているわけではありません。

自分の処方されている薬が、ジェネリック医薬品に変更できるか確認する必要があります。

また、症状などを見て「今使っている新薬のままがよい」と医師が判断し、ジェネリック医薬品に変えることに慎重な場合もあるようです。

デメリット⑦生産中止の可能性がある

医薬品医療機器等法に基づく再評価が行われ、有用性が認められない場合や、新薬と同等でないと評価された場合、製品の回収や廃棄、その後の製造販売を中止する可能性があります。

普段使っていたお薬が急になくなると不安になってしまいますね。

(参照:東和薬品|事業等のリスク 2、医薬品医療機器等法に基づく再評価)

ジェネリック医薬品メリット

ジェネリック医薬品のメリットは以下の5つです。

  • 薬代が安くなる
  • 効き目や安全性は新薬と同じ
  • 高騰する国の医療費抑制につながる
  • 新薬よりも飲みやすいように工夫されているものもある
  • 国の基準、法律に基づいて製造・販売されている

それでは見ていきましょう。

メリット①薬代が安くなる

新薬の開発期間が9〜17年かかるのに対し、ジェネリック医薬品は開発期間が3〜5年と短く、開発にかかるコストを大幅に抑えることができます。

これは、新薬ですでに有効性や安全性などが確認された有効成分を使用するため、開発にかかるコストや期間を大幅に削減できるためです。

そのため、厚生労働省が設定する価格も新薬の約2〜5割と安く設定されています。

長期的に服薬が必要な場合などは特に、そのメリットを感じられますよ。

メリット②新薬と同じ有効成分が使われている

ジェネリック医薬品は、新薬と同じ有効成分を同じ量使って製造されています。

お薬の見た目や味などは、お薬の効き目や安全性に影響しない範囲と定められていて、それを確認するための厳しい試験を全てクリアしなければ販売することができません。

安くても新薬と効果が同じなら安心してジェネリック医薬品を利用できますね。

メリット③増え続ける国の医療費の抑制につながる

日本は高齢化社会であるため、国民医療費が毎年増え続けています。

このまま医療費が増え続けると「国民健康保険制度」が維持できなくなってしまう可能性も。

ジェネリック医薬品は医療費削減の効果があると言われていて、国も使用を推進しています。

ジェネリック医薬品は自分の窓口負担だけではなく、国の医療費削減にも役立っているんですね。

沢井製薬|国のためにみんなで節約

メリット④新薬よりも飲みやすいように工夫されているものもある

ジェネリック医薬品は、新薬の発売から数年〜十数年立って開発されるため、新しい技術が使用されているものがあります。

新しい技術を使って、味が改良されたり小さくなったり、と新薬よりも飲みやすく工夫されてるお薬が多くなってきました。

錠剤やシートの表示を工夫するなど、飲みやすさだけではなく、飲み間違いを防ぐための工夫がされているものも増えてきています。

メリット⑤国の基準、法律に基づいて製造・販売されている

ジェネリック医薬品は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」にもとづいて開発・製造されます。

国が定める厳しい基準や規制、審査をクリアする必要があり、さらに安全性や品質、新薬と同等の効き目であることが証明されてから私たち患者の元へ届けられるため、安心して使うことができます。

(参照:沢井製薬|研究開発)

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品は、先発医薬品に代わる経済的な選択肢であり、処方箋薬のコストを削減するための重要な手段です。

ジェネリック医薬品は、多くの製薬会社によって製造されており、その目的は、先発医薬品と同等の働きをする製品を、より低価格で提供すること。

例えば、リピトールの有効成分であるアトルバスタチンは、ジェネリック医薬品です。

ジェネリック医薬品を処方してもらう方法

ジェネリック医薬品を処方してもらう方法は以下の5つです。

  • 今飲んでいる薬がジェネリック医薬品に変更できるか確認する
  • 医師の診察のときに伝える
  • 薬局の初回アンケートにある「ジェネリック希望」の欄にチェックを入れる
  • 薬局で処方箋を提出するときに伝える
  • お薬手帳の表紙や保険証に「ジェネリック医薬品希望」のシールを貼っておく

どれも簡単な方法ですのでやってみてくださいね。

それでは見ていきましょう。

今飲んでいる薬がジェネリック医薬品に変更できるか確認する

全てのお薬でジェネリック医薬品が販売されているわけではないので、自分の薬がジェネリック医薬品に変更できるのか確認しましょう。

処方箋の「変更不可」欄に、「✓」や「×」がついてないお薬であれば、ジェネリック医薬品に変更することができます。

お薬名が一般名(有効成分名)で処方されている場合も、ジェネリック医薬品に変更することが可能です。

また、「JGA 日本ジェネリック製薬協会」の「JGA 日本ジェネリック製薬協会|かんたん差額計算」を使えば、ジェネリック医薬品に変更した時の差額はもちろん、ジェネリック医薬品に変更できるかどうかもわかりますよ。

医師の診察のときに伝える

医師からお薬を処方されるときに、ジェネリック医薬品にできるかどうか聞いてみましょう。

診察時の状態などをみて、「新薬のままの方がよい」と医師に判断される場合もありますので、まずは気軽に相談してみてください。

薬局の初回アンケートにある「ジェネリック希望」の欄にチェックを入れる

初めて利用する処方箋薬局では、初回アンケートを渡されます。

アンケートの中に、「ジェネリック医薬品を希望しますか?」という質問がありますので、「希望する」にチェックを入れておきましょう。

これなら簡単にジェネリック医薬品を希望していることを伝えられますね。

薬局で処方箋を提出するときに伝える

薬局で処方箋を渡すとき、薬剤師さんに「ジェネリック医薬品を希望している」と相談してみましょう。

「ジェネリック医薬品に変えたいけどよくわからない」という人は、薬剤師さんからお薬について説明を受けたあとに選ぶこともできます。

「ジェネリック医薬品が気になっているけど・・・」と悩んでいるなら、ぜひ一度お薬のプロに相談してみてください。

お薬手帳の表紙や保険証に「ジェネリック医薬品希望」のシールを貼っておく

直接言いづらい場合には「ジェネリック医薬品希望のシール」というものもあります。

これはお薬手帳や保険証に貼っておくだけで、ジェネリック医薬品を希望していることがわかるのでおすすめです。

希望する人は「厚生労働省|ジェネリック医薬品の使用促進について」や「全国健康保険協会」にジェネリック医薬品希望シールを印刷できるPDFがありますので確認してみてください。

まとめ|ジェネリック医薬品は安心して使えるお薬

ジェネリック医薬品は、値段が安いため「粗悪品なのでは?」と使用をためらっていた方もいるのではないでしょうか。

ジェネリック医薬品は使用している有効成分や量は同じで、国の基準をクリアして製造販売されているので、安心して使うことができるお薬です。

医療費も節約できるので、メリットやデメリットを知って、お薬の切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

「ジェネリック医薬品に変えたいけどよくわからないな」と思ったら、ぜひかかりつけ医や薬剤師さんに相談してくださいね。

他のメリット・デメリットも知りたい方は以下よりどうぞ。

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