原子力発電のデメリット

原子力発電所-demerit

原子力発電のデメリットとメリットについて、詳しく解説していきます。

本記事の内容
  • 原子力発電とは
  • 原子力発電のデメリット
  • 原子力発電のメリット

現在、数ある発電方法のなかでも世界で4番目に基数が多いと言われている、原子力発電。

原子力発電って、一体何なのかな?と疑問に思っている方も多いはず。

また、原子力発電のメリット、デメリットは何なのでしょう?

今回は、原子力発電について、メリットとデメリットを分かりやすく紹介します。

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最後まで読むと、原子力発電について詳しくなれます。

他のメリット・デメリットも知りたい方は以下よりどうぞ。

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目次

原子力発電とは

原子力発電とは?

まず、原子力発電について解説します。

Wikipediaでは、このように記載。

原子力発電所(げんしりょくはつでんしょ、: nuclear power plant)とは、原子力発電の方式による発電所[1]

原子炉の中でウランプルトニウム核分裂を持続的に、連鎖反応的に進行させ、その核分裂反応によって発生するエネルギー熱エネルギーの形で取り出し、それによって蒸気タービン(羽根車)を回転させて発電を行う発電所である[2]

出典元:https://ja.wikipedia.org
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専門用語が多くてちょっと難しいですね。

簡単にいうと、原子力発電はウラン(アクチノイドに属する天然放射線元素の一つ)が核分裂する時に発生する熱を利用して蒸気を作っています。

そしてその蒸気の力で、タービン(羽がついた機械)を回転させて発電。

火力発電との違いは、石炭、石油、天然ガスなどを燃やして蒸気を作っているので、原子力発電とは燃料が異なるのです。

原子力発電のデメリット

原子力発電のデメリット

では、原子力発電のデメリットを解説していきます。

原子力発電のデメリットは、以下の4つ。

  1. 事故が発生すると深刻な被害が出る
  2. 処分場所がない高レベル放射性廃棄物
  3. 海の生態系に悪影響を及ぼす
  4. 大きな課題の放射能汚染水
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1つずつ見ていきましょう。

①原発事故が発生すると深刻な被害が出る

原子力発電のデメリット1つ目は「原発事故が発生すると深刻な被害が出る」ことです。

まだ記憶に新しい、平成23年3月11日の東方地方太平洋沖地震の大津波による原子力災害。

原子力発電は、いわゆる原子力爆弾と同じ仕組み。

ですから原発事故が起きれば、福島原発事故のように、大量に放射性物質が外へ漏れる可能性があります。

また、放射線や放射性物質は、この数値なら安全という明確な基準はないそう。

しかし、放射線はDNAを傷つけて、将来がんや白血病になるリスクが高くなります。

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事故が起きてしまった場合、被害を回復することも難しい面があることも、原子力発電所のデメリットですね。

②処分場所がない高レベル放射性廃棄物

原子力発電のデメリット2つ目は「処分場所がない高レベル放射性廃棄物」です。

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高レベル放射性産業廃棄物とは何なのでしょう。

原子力発電で、ウランを核分裂反応させる過程で、使用済み核燃料が発生します。

その95%は、再処理により再利用されていますが、残りの5%は再利用できない廃液に。

再処理した後の廃液をガラスで固めた「ガラス固化体」、それを高レベル放射性廃棄物と言います。

放射性廃棄物は「高レベル放射性廃棄物」と「低レベル放射性廃棄物」に大別されます。

高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料の再処理により生じる放射能レベルの高い廃液をガラス固化体にしたものです。なお、再処理せずに使用済燃料を直接処分する国の場合、使用済燃料そのものが高レベル放射性廃棄物となります。

https://www.enecho.meti.go.jp

実は、高レベル放射性廃棄物はまだ最終処分場がありません

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高レベル放射性廃棄物は、人から隔離していないと安全性が保証できないのです。

現在は、各原発施設内の貯蔵プールなどに保管されているそうですが、今後の廃棄場所の目処は立っていないそう。

運転し続ける原子力発電所。

高レベル放射性廃棄物の最終処分場がないのは大きなデメリットです。

③海の生態系に悪影響を及ぼす

原子力発電のデメリット3つ目は「海の生態系に悪影響を及ぼす」ことです。

全ての原子力発電所は、海沿いにあり、海水を使用して冷却しているため。

原発を冷却して海に返される水は、元の温度より7度も高くなっているそうで、周辺の海の温度が上昇。

また、原発内を掃除した水など、放射性物質が含まれた水が海に排水されているので、そういったことから海の生態系に悪影響を及ぼします。

海の生態系への悪影響は、原子力発電所を運転する上で、問題視されています。

④大きな課題の放射能汚染水

原子力発電のデメリット4つ目は「大きな課題の放射能汚染水」です。

福島原子力発電所の事故により、水素爆発が発生。

そこで原子炉内で燃料が溶け落ちてしまった、今もなお残る「燃料デブリ」。

燃料デブリは常に水をかけて冷却されていますが、その冷却水は核燃料に触れているので、高濃度の放射性物質を含んでいる「汚染水」になります。

高濃度の放射線を含んだ水は、燃料で冷やし続ける限り、無くす事はできません。

この汚染水は、多核種除去整備で、大部分の核を除去し「ALPS処理水」になります。

こうした処理をしても、一部の核は取り除くことができません。

ALPS処理水は、規制基準まで充分に薄めて放出を実施する事となっているようですが、風評被害などが懸念されています。

原子力発電のメリット

原子力発電のメリット

外では、原子力発電のメリットについて解説します。

原子力発電のメリットは以下の3つ。

  1. 電気料金が安定しやすい
  2. 燃料の入手が安定している
  3. 発電時にCO2を排出しない
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では1つずつ見ていきましょう。

①電気料金が安定しやすい

原子力発電のメリット1つ目は「電気料金が安定する」ことです。

火力発電に比べて、原子力発電は多くの燃料を必要としません。

なので、原子力発電は発電のコストが少ないという特徴があります。

ですから、もし燃料の価格が高騰しても原子力発電では影響されにくいので、電気料金が安定しやすいということですね。

<電気料金の安定に役立つ>

原子力発電の利点は、電気料金にも反映されています。

これは、発電コストに占める燃料費の割合が、火力発電などほかの発電方法に比べて低く、燃料費の高騰による発電コストの上昇を避けることができるためです。

https://www.kepco.co.jp

対して火力発電は、石炭、石油、天然ガスなどの燃料を、原子力発電より多く使用するので、発電コストが高くなり、燃料の電気料金に影響しやすい。

よって、原子力発電のメリットは、電気代が安定しやすいことです。

②燃料の入手が安定している

原子力発電のメリットつ2つ目は「燃料の入手が安定している」ことです。

燃料の供給は、発電所にとってとても大事ですよね。

原子力発電で使用する燃料のウランは、オーストラリアやカナダなどの安定した国から確保できます。

<燃料の安定供給が可能>

原子力発電の燃料となるウランは、石油に比べて政情の安定した国々に埋蔵されていることから、資源の安定確保が可能です。また、使い終わった燃料は再処理することで再び燃料として使用する事ができ、準国産のエネルギー資源になります。

https://www.kepco.co.jp

燃料の入手が安定することによって、急なエネルギー不足などを回避

不安定な石油などに頼る火力発電よりは、燃料が途絶えにくく安心と言えます。

③発電時にCO2を排出しない

原子力発電のメリット3つ目は「発電時にCO2を排出しない」ことです。

<発電時にCO2を排出しない>

核分裂のエネルギーを利用する原子力発電は、発電の過程でCO2を排出しません。

発電時にCO2を排出しない原子力発電は、温暖化対策の一つとして期待されています。

https://www.kepco.co.jp

大きく問題視されている地球温暖化の原因となるのがCO2。

火力発電は、燃料を燃やして発電するので必然的にCO2を排出していますが、原子力発電ではCO2は排出しません。

なので、発電するにあたり、原子力発電は地球温暖化対策にもなります。

まとめ

今回は、原子力発電のメリット、デメリットについて解説しました。

原子力発電のデメリット
  1. 事故が発生すると深刻な被害が出る
  2. 処分場所がない高レベル放射性廃棄物
  3. 海の生態系に悪影響を及ぼす
  4. 大きな課題の放射能汚染水
原子力発電のメリット
  1. 電気料金が安定しやすい
  2. 燃料の入手が安定している
  3. 発電時にCO2を排出しない

原子力発電はメリットが沢山ありますが、自然環境においてデメリットが多いのも事実です。

デメリットが改善されて、より良い発電のツールになるといいですね。

それでは、今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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また見に来てください。

他のメリット・デメリットも知りたい方は以下よりどうぞ。

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